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Channel: 「 眞葛博士 の 宮川香山研究 」
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宮川香山 高浮彫り作品の「鑑定箱」

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皆さん、おはようございます。

今日は高浮彫の「鑑定箱」について、書かせて頂きたいと思います。


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初代宮川香山作 個人蔵 宮川香山眞葛ミュージアム保管



桜と鳩が、細工により美しく表現されている作品です。



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(部分)




このような通称「高浮彫り」と呼ばれている作風の作品は、主に輸出向けに製造されていたため、木箱(共箱)に入れて出荷されることはほとんどなかったようです。

輸出向けの作品を梱包する写真が、神奈川県立歴史博物館などにも収蔵されていますが、ワラのようなものでぐるぐる巻きにして、梱包している姿が写されています。

また、私自身数多くの作品を里帰りさせてきましたが、これまで海外で発見した「高浮彫り」で共箱を伴っていたものは一点もありませんでした。



先日、こんな木箱を入手しました。



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表には「花瓶」と書かれています。

裏を見てみますと、、、




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二代香山の筆跡で「眞葛窯  桜に鳩の細工 明治十五六年頃ニ之造  香山鑑」と書かれています。

これは、二代香山が、文字通り「この作品は眞葛窯で明治15,6年頃に製作した桜に鳩の細工の花瓶です」と鑑定をした箱なのです。

きっと共箱が付いていなかった高浮彫りの作品を入手した人が、本物かどうかを確かめるため、二代香山に鑑定を依頼したのでしょう。

高浮彫り作品を二代香山が鑑定した箱を見たのは初めてで、とても珍しいものだと思います。

今日は、二代香山による高浮彫作品の鑑定箱をご紹介しました。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士





p.s. 昨日11月7日は、赤レンガ倉庫で「横浜ヒストリックカーデイ」が開催されました。

私の会社も、古いのもを大切に次の世代へと受け継ぐという考えに共鳴し、協賛をさせて頂きました。

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http://yhcd.jimdo.com/ 



主催者は、売り上げの一部が「横浜の歴史を生かしたまちづくり」に寄付される弊社の「陸蒸気サブレ」を参加者全員へのお土産に活用して下さり、参加者の中には早速このような形でディスプレイしている方もいらっしゃいました(笑)

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それにしても約170台のヒストリックカーが集まると圧巻で、横浜のまちにもとてもマッチしていました。


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当日は、「古いくるまの絵を描こう」というイベントが開催され、小さなお子さんたちも熱心にヒストリックカーを描いていました。


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こうしてみると、古い車というのは、どことなく人間味があって愛らしく、子どもたちと語りあっているようにも見えますね。


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とても素晴らしいイベントでした。














宮川香山 1900年パリ万国博覧会 出品写真より

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皆さんおはようございます。

今日は大阪の関先生からご教示頂いた資料をご紹介したいと思います。

1900(明治33)年、パリ万国博覧会が開催されました。

『臨時博覧会事務局報告』に、「陶磁器出品ハ一般ニ好評ニシテ、就中最モ世評ヲ博シタルハ宮川香山ノ出品ナリトス」とあるように、高い評価を受けました。

これまで以前にブログで紹介した巨大な作品( http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2008-07-06-1 )の写真しか確認できていませんでしたが、今回関先生より、『美術画報 臨時増刊 巴里博覧会出品組合製作品』という文献をご教示頂き、別の作品も確認することができました。

その一部をご紹介しますと、、


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この写真の作品は、全て眞葛窯からのパリ万博への出品作です。


おや、、、。何だか見覚えのある作品が写っているではないですか!


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この作品、以前京都の古美術店で見つけ購入した作品に酷似していたのです。


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初代宮川香山作 個人蔵 宮川香山 眞葛ミュージアム保管


まさか、パリ万国博覧会に出品された作品そのものということはないでしょうから、恐らく、出品作を製作したのと同時期に作られた作品と思われます。

非常に興味深い発見でした。

関先生、貴重な資料をご教示頂き本当に有難うございました。改めて心より感謝致します。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士







P.S.  本業のプロジェクトが一つ、ひと段落しました。

横浜市立大学と神奈川県、さらに横濱三塔協議会とコラボしたスイーツが完成しました!



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「しあわせの三塔ギモーヴ」


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「しあわせの三塔ギモーヴ」



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「しあわせの三塔ポルボロン」




先日、神奈川県の黒岩知事の会見で発表をさせて頂きました。


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横浜三塔(神奈川県庁、横浜税関、横浜開港資料館)を同時に見えるスポットをめぐると願いが叶うと言われています。

その伝説にあやかり、横浜市立大学の学生の感性を生かした「恋が叶う」をコンセプトにしたスイーツを開発しました。

ポルボロンはヨーロッパの伝統的なお菓子で、口の中でぽろっととろける間に願いを唱えると叶うと言われています。

このお菓子で多くの方に幸せが訪れることを願っています。


http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/pr/press/151112.html
(横浜市大ニュースリリース)

http://www.pref.kanagawa.jp/prs/p977375.html
(神奈川県ニュースリリース)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151113-00005135-kana-l14
(Yahoo ニュース)

http://www.3yo.co.jp/contents/topics.html
(株式会社三陽物産 トピックス)

真葛香山 横浜美術館に行ってきました

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みなさん、おはようございます。

先日、横浜美術館に行って参りました。



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現在横浜美術館では、「横浜美術館コレクション展 2015年度第3期」として、2015年11月3日から2016年4月3日まで、歴代の宮川香山作品が約20点展示中なのです!

http://yokohama.art.museum/exhibition/index/20151103-459.html 
(コレクション展詳細)
http://yokohama.art.museum/static/file/exhibition/listofworks2015_3.pdf 
(出品リスト)




写真撮影が可能でしたので、どのような真葛焼が展示されていたのか、ご紹介したいと思います。




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横浜美術館が収蔵している宮川香山作品を、一同に見ることができる機会は少ないですので、ぜひこの機会に足を運ばれることをお勧め致します!

その際は、横浜駅からまず、「宮川香山 眞葛ミュージアム」に立ち寄り「没後100年 初代宮川香山展」をご覧になられてから、徒歩でみなとみらいを散策しながら横浜美術館に向かわれるルートが特にオススメです(笑)



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士







p.s. 横浜の街中を、横浜市営バスと神奈中バスのフルラッピングバスが快走中です!


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番外編 以前のブログで、、、。

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皆さん、こんばんは。

以前、このようなブログを書かせて頂いたのを覚えていらっしゃいますでしょうか?
→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2013-07-08

そうです。二日間連続で、宮川香山 眞葛ミュージアムを訪れて下さった小松美羽さんについて書かせて頂きました。



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その小松美羽さんが有田で製作した作品(こま犬)が、なんとイギリスの大英国博物館に収蔵されたそうです。

http://bylines.news.yahoo.co.jp/kimuramasato/20151106-00051205/
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20151124-00000069-nnn-int

「“異例の若さで”大英博物館に小松美羽作品」とテレビの報道などでも紹介されていました。

本当に素晴らしいことだと思います。



そして本日11月29日(日)、テレビ番組「情熱大陸」で、小松さんが特集されるということですので、ご興味のある方はぜひご覧頂ければと思います。

→ http://www.mbs.jp/jounetsu/2015/11_29.shtml




”狛犬”と言えば、実は、僕も大変な狛犬好きでして、特に平安・鎌倉期の”木彫り”の狛犬に関心があり、神社や博物館などにも良く足を運びます(笑)。

今から10年以上前になりますが、僕が骨董品に興味を持ち始めて、一番最初に手にした古美術品が、鎌倉時代の木彫りの狛犬でした。






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狛犬(一対) 鎌倉時代 個人蔵






この狛犬は、鎌倉時代から何百年という年月を、その時代、その時代の持ち主にずっと大切にされて、奇跡的に今日まで存在してきているのです。

私が手にする前は、東京日本橋の海老屋美術店( http://www.e-ebiya.com/ )のお店の守り神として、長い間店主にかわいがられてきていました。

私にお譲り下さる際、店主が実際に狛犬の頭を撫でながら「いい子、いい子と、頭を撫でてあげたりして、大切にかわいがって下さいね」と言われていたのがとても印象的でした。

それ以来、僕も頭を撫でてあげながら大切にしてきています(笑)






前回のブログでは触れられていなかったのですが、小松さんが眞葛ミュージアムを訪れた際、その狛犬を見て頂いたところ、それはそれはとても喜んで下さいました。



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狛犬たちも、なぜかとても嬉しそうに見えたのを覚えています。



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この度は本当におめでとうございました。




今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士



横浜美術館開催「宮川香山・眞葛焼をめぐるレクチャー&街歩き」

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皆さん、おはようございます。

今日は、横浜美術館さんのイベントをご紹介したいと思います。




12月20日・21日開催「宮川香山・眞葛焼をめぐるレクチャー&街歩き」参加者募集!

明治開港期に横浜に窯を構え、日本を代表する工芸品として欧米で絶大な人気を博した「眞葛焼」。横浜美術館では2016年1月11日(日)までのコレクション展2015年度第3期の「大正・昭和の横浜から」コーナーで、初代から三代にわたる宮川香山や工房による作品を展示しています。
本イベントでは、当館学芸員による作品解説・レクチャーと、横浜シティガイドによる街歩きや眞葛ミュージアムの観覧で、「眞葛焼」とそれを取り巻く開港以降の横浜に思いを馳せます。


日程
2015年12月20日(日)
2015年12月21日(月)
※両日同内容 ※雨天決行

時間
両日とも13時~16時  ※受付12時30分~

場所
横浜美術館(西区みなとみらい3-4-1) 円形フォーラム
(街歩き)
宮川香山 眞葛ミュージアム(神奈川区栄町6-1)

プログラム
①横浜美術館 作品鑑賞・学芸員によるレクチャー 13時~
②横浜シティガイドによる街歩きツアー 14時~
③宮川香山 眞葛ミュージアム観覧 15時30分頃~   ※現地解散

参加費
おひとり1,000円(税込)
※当日支払 
※横浜美術館コレクション展・眞葛ミュージアム観覧料、シティガイド協会ガイド料、保険料を含む


定員
各回30名 (最少催行人員10名)
※おひとりの申込みで、同行者2名・計3名までお申込みいただけます。
※お申込みは高校生以上(中学生以下の方は同伴としてお申込みください)


お申込み
こちらの申込フォームより先着にて受付、2015年12月15日〆切 
※定員に達し次第受付を終了します。


お問合せ
横浜美術館
電話 045-221-0300(10時~18時 木曜休)、FAX 045-221-0317


主催:横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
協力:NPO法人横浜シティガイド協会
   宮川香山 眞葛ミュージアム      

                            」



(以上 横浜美術館H.P. http://yokohama.art.museum/event/index/data-277.html より)




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現在、横浜美術館さんでは、コレクション展にて館収蔵の眞葛焼を約20点展示中です。

また、宮川香山 眞葛ミュージアムでは「没後100年 宮川香山」展が開催中されています。( http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2015-09-20 )


今回のイベントは、その両方を解説付きで楽しめるイベントです。

お勧めのイベントですので、ぜひお友達を誘ってご参加下さいませ。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士



宮川香山 没後100年 賀正

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皆さん、あけましておめでとうございます。





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初代宮川香山作 個人蔵 宮川香山 眞葛ミュージアム保管





今年も宮川香山の研究に励み、その成果をブログで皆さまにお伝えできるよう頑張って参ります。本年もどうぞ宜しくお願い致します。


山本 博士





p.s.画像の作品は、100年以上も前に初代香山が横浜から見ていた富士の姿です。現在も、富士の右に丹沢山系がかかる景色に変化はありませんが、裾野に広がる緑は市街地へと変貌しています。





宮川香山 料亭でも、、、。

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皆さん、こんにちは。

宮川香山の真葛焼というと、海外の万博などに輸出された大作をイメージされる方が多いと思いますが、当時の真葛窯では料亭などで使用する食器なども製造していました。

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ここに横浜市中区役所が昭和61年に発行した『中区わが街 中区地区沿革外史』という本があります。

この本は、古老からの聞き取りや座談会の記録をまとめたものです。(僕は郷土史に大変興味があり、横浜のこの手の本はほとんど読んでいます、、笑)


その中に、明治、大正時代に横浜が誇る料亭であった「八百政」に関する記述があります。関内にあった料亭「八百政」は、震災で焼け、大正14,5年に再建されますが、総二階で200坪以上、二階には百畳敷の部屋があり、玄関だけでも24畳あったといいます。

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「八百政」は、橋本関雪、下村観山、さらに山本五十六や、原三渓なども顧客であったといいます。






当時の「八百政」について古老 畠山政吉は、「器が大切」という項で次のように語っています。


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「私共では、先代が京焼が好きだったものですから、瀬戸物はそれに決めておりました。塗物は輪島です。

南太田の真葛焼きも使いました。宮川香山さんとは、ずい分親しくお付き合いさせていただきました。」


実際に、料亭で真葛焼が使用されていた証言です。



確かに、骨董市などで注意深く探していると、真葛焼の向付や徳利などを発見することができます。




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初代宮川香山作 個人蔵 真葛ミュージアム保管


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初代宮川香山作 個人蔵 真葛ミュージアム保管


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初代宮川香山作 個人蔵 真葛ミュージアム保管


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どれも素晴らしいですね。


ところで、「八百政」の現在はどうなっているのでしょうか。

戦中は物資がなく昭和19年に店を閉じ、昭和25年にまた再開されたそうですが、現在はご覧のようなオフィスビルになっています。

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時代の移り変わりを感じます。

もしもタイムスリップできるなら、関内の料亭「八百政」の100畳敷きで、芸者さんでも呼んで、「器は全て真葛焼で!」とお願いし、美味しい料理を満喫したいです、、、笑。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

真葛 博士






P.S. 本業の洋菓子製造業も頑張っています。地元の横浜市立大学の学生とコラボした「社会の役に立つお菓子」第二段 浜梨(はまなし)ガレットを発売しました。


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全国各地で「没後100年 宮川香山展」が企画されています!

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皆さん、こんにちは。

今年は初代宮川香山の没後100年にあたります。


現在、横浜の「宮川香山 眞葛ミュージアム」では、2月28日まで初代宮川香山の優品のみ約100点を展示する企画展「没後100年 初代宮川香山 優品ベストセレクション展」を開催中です。 


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→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2015-09-20



まだご覧になられていない方は、眞葛ミュージアムまで是非おでかけ下さい。
→ http://kozan-makuzu.com/ 






そして、今年は他にも全国各地で宮川香山展が企画されています。


1.2月17日(水)~29日(月) 日本橋三越本店 「吉兆庵美術館蒐集 真葛香山展」

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2.2016年2月24日(水)~4月17日(日)サントリー美術館 「没後100年宮川香山」

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3.2016年3月18日(金)~5月8日(日) 岡山県立美術館 「没後100年宮川香山 虫明焼と明治の陶芸」


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→ http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/exh-kozan.html



日本橋三越での企画展は吉兆庵美術館収蔵のコレクションを展示するもので、渡り蟹の作品を筆頭に、和の情緒漂う美しい眞葛焼が必見の企画展です。

サントリー美術館での企画展は田邊先生のコレクションを中心とした展示で、初代香山の迫力と美しさを存分に堪能できる企画展のようです。(大阪東洋陶磁美術館、瀬戸市美術館への巡回展有)

また、岡山県立美術館での企画展は、東京国立博物館収蔵の渡り蟹の作品を筆頭に、眞葛ミュージアムから約100点、他にも住友家 泉屋博古館や、岡山県立歴史博物館、野崎家塩業歴史館、吉兆庵美術館などなど、日本中から初代宮川香山の名品が一同に集結します。横浜に窯を築く直前、岡山で窯の指導に当たっていた初代香山ですが、贋物が多いと言われているその時代の作品にも迫る企画展になるようです。 → http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/exh-kozan.html





今年は、他にも美術雑誌『美術手帖』の3月号で、初代香山が特集される予定です。

『美術手帖』2016年3月号 2月17日発売

特集
超絶技巧 宮川香山と明治工芸篇

「今年没後100年を迎える、空前絶後の陶芸家、宮川香山。
立体的な蟹や猫などで陶器を装飾する「高浮彫」の
写実性や装飾性は、今なお見る者に新鮮な驚きを与える。
そんな香山の作品に迫るほか、並河靖之や安藤緑山など、
明治以降に活躍した作家による、超絶技巧の世界を徹底解説。
美術史家・山下裕二をガイドに迎え、
再評価が高まる「明治工芸」の魅力に熱く迫る。  」


今年は、宮川香山に関心が集まる年になりそうです!



今日もブログをみて頂き、有難うございました。

眞葛 博士







真葛香山 横浜市南区庁舎での出張ミュージアム開催

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眞葛窯は現在の横浜市南区にありました。

その南区の区庁舎が、現在の場所から移転します。

来る2016年1月30日(土)、移転先に建設された新庁舎のお披露目イベントが開催されます。

当日は、眞葛ミュージアムも出張展示を行うことになりました!




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『タウンニュース』より




午前11時30分から午後2時までは、一般の方々も内覧会に参加でき、眞葛焼の出張展示を無料で見ることもできます。http://www.city.yokohama.lg.jp/minami/40kusei/54choushaseibi/

私も終日会場にいて、解説などをさせて頂く予定でおります。

当日は真葛焼に関する質問等にも、できる限りお答えしたいと思っておりますので、お時間のある方はどうぞ新南区庁舎へ是非足をお運びください。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士








初代宮川香山が軽井沢に創出した”三笠焼”

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皆さん、こんばんは。


京都で生まれ育った初代宮川香山ですが、岡山の虫明に窯の指導に行った後、横浜に移り作陶をしていたことは皆さんご存知だと思います。

しかし、明治38年に初代宮川香山が軽井沢に”三笠焼”の窯を築いたことはあまり知られていません。

この三笠窯は、わずか10年程で閉鎖となったため、”幻のやきもの”とも言われています。



数年程前になりますが、この三笠焼に関する新発見の大変貴重な資料を発見しましたので、このブログでご紹介したいと思います。





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三笠焼リーフレット  個人蔵 宮川香山 眞葛ミュージアム保管





「 帝室技芸員 眞葛宮川香山翁設計及び監督 みかさやきの御披露 」と始まる、三笠焼のリーフレットです。



一部を現代語訳しますと、、、



「信州軽井沢の格別の品であり、人々の中に誉めない者はなく、買わない者もいない陶磁の呼び物です。お菓子の器などは優碗にして愛敬がこぼれるほどです。風雅を好む方々のための薄茶・抹茶の茶碗から、ハイカラな形のビール盃に至るまで、徳利と盃、大皿小皿などを取り揃え、ちょっと御用の楊子挿、床の置物、飾の花瓶、一輪瓶の無地の品や染付の品など、ご注文の品をすべて高雅な品質で、何でもござれと焼き出します。そもそもこの製品の製法は、世にも名高い浅間山からしきりに吹き出す焦石を原料として、仙郷滝の清流と三笠の山の松風にさらさらさっと晒しあげて、色づく松枝・蔦・紅葉など、緑や紅の色を濃くも薄くも、釉薬の加減も濃淡自在に仕上げます。引く手あまたのこの格別の品は、近くにある名高い浅間山の名にふさわしい妙技です。」



大変珍しい資料です。


この15年間、作品のみならず、このような未発見の資料についても鋭意探索を行っており、他にもまだ未公表の資料がありますので、随時このブログで紹介をしていきたいと思っています。

最後に、このブログでは初公開となる幻のやきもの「三笠焼」の作品を2点、ご紹介したいと思います。



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初代宮川香山作 三笠焼 個人蔵 眞葛ミュージアム保管




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三笠焼 猪香合  個人蔵 眞葛ミュージアム保管




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今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士





p.s. 以下、三笠焼に関して、過去にブログで書かせて頂いた記事です。
http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2008-09-25-1
http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2010-07-28
http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2008-11-18
ご参考までに、、。

また、先日告知させて頂きました横浜市南区役所 新庁舎での出張ミュージアムも大盛況のうちに無事に終えることができました。皆さんとても熱心に真葛焼を見ていらっしゃいました。ありがとうございました。

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眞葛ミュージアム 2月28日は入館料無料 !

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現在、宮川香山 眞葛ミュージアムでは、「 初代宮川香山 没後100年 優品ベストコレクション展 」を開催中です。
→ http://kozan-makuzu.com/



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初代の優品ばかりを約100点展示しておりますが、いよいよその会期も2月28日(日)までとなりました。

本企画展は、初代宮川香山の没後100年を記念して企画されました。


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眞葛ミュージアムでは、メモリアルイヤー特別企画と致しまして、本企画展の最終日となる2月28日(日)を入館料無料とさせて頂きます。

写真撮影も可能ですので、皆さまお誘いあわせの上、是非ご来館をお待ちしております。



宮川香山 眞葛ミュージアム 
館  長





P.S.
3月5日(土)からは展示替えを行い、ミュージアム初公開となる眞葛焼を多数展示予定です。3月5日(土)以降の展示も是非ご期待ください。




眞葛ミュージアム 3月5日から新たな企画展

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宮川香山 眞葛ミュージアムで開催された「初代宮川香山 没後100年 ベストコレクション展」はいかがだったでしょうか。初代香山の高浮彫り作品など、存分にお楽しみ頂けたことと思います。





さて、2016年3月5日(土)より、眞葛ミュージアムでは展示替えを行い新たな企画展「 眞葛窯 その華麗なる造形美 」展が始まります。

宮川香山の真骨頂と言えば、高浮彫りなどの作風に代表されるように、その造形美を忘れてはならないでしょう。

初代から二代、そして三代へと引き継がれた、花瓶や香炉、置物などの美しく洗練された器形や精緻な細工は、見る者の心を捉えて離しません。

本企画展では、多数の初公開作品と共に、歴代宮川香山の造形美に迫ります。




「 眞葛窯 その華麗なる造形美 」展は、2016年3月5日(土)より、眞葛ミュージアムにて開催されます。




ここで、今回の企画展で初公開となる作品の一部をご紹介いたします。









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初代宮川香山作   眞葛ミュージアム保管











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初代宮川香山作   眞葛ミュージアム保管











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初代宮川香山作   眞葛ミュージアム保管



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初代宮川香山作   眞葛ミュージアム保管






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皆さまのご来館を是非お待ちしております。

宮川香山 眞葛ミュージアム館長






P.S. 日本橋三越で開催されていました眞葛香山展、そしてサントリー美術館で開催されている宮川香山展へ行って参りました。

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共に大満足の企画展でした。

そして改めて実感したことがあります。

コレクションには、その収集家の選択眼が色濃く反映され、ある種の個性が出ているということ。

吉兆庵美術館コレクション、田邊コレクション、それぞれに独自の選択眼があり、見ていてとても興味深いものでした。















岡山県立美術館「世界を魅了した陶芸家 宮川香山」開催中

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本日から、岡山県立美術館で、「世界を魅了した陶芸家 宮川香山」展が開催されています。



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http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/exh-kozan.html




眞葛ミュージアムから100点以上、さらに東京国立博物館、吉兆庵美術館、東京国立近代美術館、泉屋博古館、野崎家塩業歴史館などなど、日本中から初代宮川香山の名品が岡山に集結しています。

国の重要文化財に指定されている2点の香山作品も展示されています(渡り蟹水盤を含みますが、前期展示のみ)。

さらに、香山とも縁があった十二代沈壽官の本薩摩なども展示されており、総数250点の圧巻の企画展になっています。

5月8日まで開催されておりますので、旅行がてら是非岡山に足をお運び下さい。大変お勧めの展覧会です。





また3月21日(祝日)には、私が記念講演をさせて頂きます。宜しければ是非お出かけください。

記念講演会「宮川香山について」

日時:2016年3月21日(月曜日)14時から15時30分
講師:山本博士(宮川香山 眞葛ミュージアム館長)
会場:岡山県立美術館 2階ホール(先着200名・聴講無料)





さらに、岡山の吉兆庵美術館でも「横浜真葛焼展」が開催中です。

会場:岡山・吉兆庵美術館
会期:平成28年3月12日(土)~6月5日(日)
休館日:4月4日(月)、18日(月)、5月2日(月)、16日(月)
時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

私も昨日訪問して参りましたが、こちらも見ごたえのある大変素晴らしいコレクションです。お勧めです!





今日もブログを見て頂き有難うございました。

眞葛 博士







P.S. 岡山県立美術館の展示は、サントリー美術館の企画展の巡回展ではありません。それぞれ別の香山作品を見ることができます。

今は、サントリーと眞葛ミュージアム、さらに岡山県美と吉兆庵美術館、この4館で宮川香山展を同時開催しているので、この4館を制覇すれば、国内に現存するほとんど全ての優品を見ることができます!




「眞葛窯 その華麗なる造形美」展は、本日まで!

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現在、宮川香山 真葛ミュージアムで開催中の「眞葛窯 その華麗なる造形美」展は、本日2016年5月15日(日)で終了となります!

全ての作品の写真撮影も可能ですので、是非お見逃しなく。
→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2016-03-01



来週の5月21日(土)からは、ほとんどの作品を入れ替えて、新たな企画展が始まります。詳細は後日アップさせて頂きます。

また、5月20日は初代香山の命日です。没後100年となる今年は、22日の日曜日にミュージアムでイベントを企画中です。

イベントはまだ決定ではないのですが、「初代香山のお墓参りに行きたいが場所がわからない」などの声が多く聞かれますので、ミュージアムで集合し、館内を見学した後に、一緒に初代香山のお墓詣りに行くという企画を検討中です。

イベントが確定しましたら、このブログとミュージアムのホームページにアップ致します。


今日もブログを見て頂き、ありがとうございました。

眞葛 博士



宮川香山没後100年記念イベント 決定

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初代香山の命日は大正5年(1916年)5月20日で、今年は没後100年に当たります。

そこで、眞葛ミュージアムで以下のイベントを開催します。



1.入館料無料

 5月21日(土)、5月22日(日)、5月28日(土)、5月29日(日)の4日間、入館料を無料とさせて頂きます。




2.窯跡散策とお墓参りイベント
 
 5月22日(日)、眞葛窯窯跡散策と初代香山のお墓参りを行うイベントを開催致します。「窯跡の場所がわからない」、「お墓はどこ?」という質問が多く寄せられます。そこで、皆さまを窯跡などにご案内するイベントを開催致します。

 5月22日(日)、午前10時に眞葛ミュージアムにご集合下さい。館内を見学した後、久保山霊園と窯跡を散策し、眞葛ミュージアムに13時に戻る予定です。

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3.岡山県立博物館 「宮川香山」展の図録販売

5月8日まで岡山県立博物館で開催されておりました「宮川香山」展の図録を販売致します。(税込2000円。数に限りがございます。)

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どうぞご期待下さい。

今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士





「没後100年初代宮川香山 優品ベストコレクションPart.Ⅱ」展 
 宮川香山 眞葛ミュージアム
 
明治初年、横浜に窯を築き、国内外の万国博覧会で輝かしい受賞を重ねた初代宮川香山。 優品は海外に流出し、三代続いた眞葛窯も横浜大空襲で閉鎖に追い込まれ、今では“幻のやきもの”と称されています。

本年は、初代宮川香山の没後100年にあたります。 本企画展では、当館が管理する数百点にも及ぶコレクションの中から、初代香山の選りすぐりの優品を展示致します。

動植物を精緻な細工で表現した超絶技巧作品や、華やかな色彩を纏ったアールヌーボー様式の磁器作品、そして晩年に製作された遺作作品まで、 80点以上の優品を展示し、没後100年を迎えた初代香山の生涯に迫ります。

また、国内向けに製作された初代香山作の「茶碗」コレクションも一同にご紹介します。 幕末から明治は、煎茶がブームとなっており、現存する初代作の「茶碗」作品は少なく、希少性が高くなっております。 初代香山が横浜に窯を築く直前、岡山で製作した虫明時代の茶碗や、今年の干支である猿が描かれた茶碗など、京都で生まれ育った香山の妙技を堪能ください。


平成28年5月21日より開催 (土・日のみ開館) 7月初旬に一部の作品を入れ替えます。



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没後100年イベント「眞葛窯 窯跡散策と初代宮川香山のお墓参り 」

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2016年5月22日(日)開催予定のイベントの詳細についてお知らせ致します。

イベント参加希望の方は、午前10時より真葛ミュージアムで受付を開始致します。
先着40名様で締め切りとなります。イベントの参加費用は無料です。
ミュージアムから窯の跡地、久保山霊園までの移動は、貸し切りバスを利用致します。
現地では階段や坂もありますので、歩きやすい服装と靴でご参加ください。
10時45分まで新たな企画展を見学をして頂き、その後貸し切りバスにて移動、最終的に13時頃ミュージアムに戻る予定になります。
皆様、奮ってご参加ください。

宮川香山 真葛ミュージアム
館 長


・ 追記 2016・5・22
  
イベントは無事に終了致しました。

没後100年を記念しての「眞葛窯 窯跡散策と初代宮川香山のお墓参り」でしたが、皆さまにとても楽しんで頂き、眞葛ミュージアムらしい記念イベントを行うことができました。

初代香山の玄孫に当ります宮川眞 名誉館長もご参加頂き、お墓参り前に貴重なお話も伺うことができました。

名誉館長とご参加頂いた皆さまに感謝致します。


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初代宮川香山 愛らしい小品

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皆さん、おはようございます。

今日は初代宮川香山のとっても愛らしい小品をご紹介したいと思います。

初代香山と言えば、写実性を極限まで追求した超絶技巧作品を思い起こす方が多いと思いますが、実は、デフォルメされたとてもカワイイ作品というのも真骨頂なんです。





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初代宮川香山作 個人蔵 宮川香山 眞葛ミュージアム保管


シンプルですが、狸の性格までもが表現されたかのような趣き深い作品です。

柔らかく薄いブルーの色彩も、初代香山独特のセンスを感じますね。

まるでアニメのキャラクターのようです!


このような香合は主に国内向けに製作されていました。

注意して探していると、ヤフオクや骨董市などでもごくたまに見かけることがあります。

最近は初代香山作品の値段が上がってしまっていて、作品によっては15万円~45万円くらいはしてしまうかもしれませんが、身近に飾る初代香山作品としてとてもお勧めです。



今日もブログを見て頂き有難うございました。

眞葛 博士



P.S.  眞葛ミュージアムへ取材の依頼があり、今日はこれからミュージアムに行って参ります。有り難いことです。取材の内容などはまた後日ブログでご紹介したいと思います。







次回の「日曜美術館」は宮川香山!

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皆さん、おはようございます。

横浜の宮川香山 眞葛ミュージアムへは足をお運び頂けましたでしょうか。
→ http://kozan-makuzu.com/

現在の企画展 初代宮川香山優品ベストコレクション展は、7月3日(日)で一部の作品の展示替えを行います。是非7月3日(日)までに一度足をお運び下さいますよう、宜しくお願い致します。


さて、今日はテレビ番組の情報をお伝え致します。

次回の6月26日(日)の NHK Eテレ「日曜美術館」は宮川香山が特集されます!


「 NHK Eテレ1
6月26日(日) 午前9時00分~ 午前9時45分
日曜美術館「“超絶”を生きた男~明治の陶芸家・宮川香山~」

これが陶芸?!リアルな鳥やカニが器から飛び出す!明治時代の陶芸家・宮川香山(こうざん)。その驚きに満ちた器はどのように生まれたのか?そのヒミツと魅力を徹底解剖!

開国間もない明治の初め、宮川香山は「高浮彫」と呼ばれる究極の器で世界に挑み、海外の万博などで高い評価を受ける。その器が文化を越えて人々の心をとらえたのはなぜ?その超絶技法のヒミツに迫るべく、器の一部の再現に挑戦。見えてきたのは、単なる装飾を越えた香山の奥深い世界観だった…。そして、彼が人生最後に挑んだ驚きの器とは?香山の大ファンだというピーター・バラカンさんをゲストに迎え、その魅力を熱く語りあう!

【出演】ブロードキャスター…ピーター・バラカン,陶造形作家…塩谷良太,【司会】井浦新,伊東敏恵」

→ http://www4.nhk.or.jp/nichibi/x/2016-06-26/31/31606/1902686/

皆さまどうぞお見逃しなく!



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士




「宮川香山 眞葛ミュージアム」が紹介されました。

宮川香山 ”金工”との驚きのコラボ作品

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皆さん、こんにちは。

今日は大変珍しい作品をご紹介したいと思います。

陶芸家である初代宮川香山が、” 金工 ”(鋳金)とコラボレーションし製作した作品です。





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初代宮川香山作   宮川香山 眞葛ミュージアム保管





雲海の荒波は、盛り上げの技法を使い表現されています。

龍を引き立てるために抑えられた色彩は、純白からうっすらとピンクがかった色調へとグラデーションで仕上げられており、気品ある作品に仕上がっています。

”金工”の部分は上からぴったりとはめるような形で仕上げられています。



DSC02622.jpg



この龍も、鉄とは思えないほど、細部までとても緻密に製作されていますね。






ところで、以前このブログでは”芝山”とコラボした初代香山の作品もご紹介しました。
→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2011-10-25-1




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初代宮川香山作  眞葛ミュージアム保管




”芝山”は、貝などを彫刻し、漆器などに象嵌し製作する工芸技法ですが、漆器ではなく、かつ平面でない陶磁器に象嵌させるアイデアにも本当に驚かされます。






このように、初代香山が他の明治工芸とコラボレーションした作品を見ても、初代香山の開拓精神を強く感じ取ることができるのです。



今日もブログを見て頂き有難うございました。

眞葛 博士







P.S.

NHKの日曜美術館を見ていたら、宮川香山が作陶していた眞葛窯の窯跡に足を運びたくなりました。

三代宮川香山の次男で、元眞葛ミュージアムの名誉館長でいらした故宮川博明さんの話を思い出しながら窯跡を散歩しました。


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ちょうど白い車が止まっている辺りが、眞葛窯の正門があった場所になります。

この坂道には、外国人たちを乗せてきた人力車が列をなしていたといいます。

道を進むと、

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左手には、窯跡を示す看板が掲げられています。

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少し戻り、

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白い車の手前の路地を左に曲がり、右手を見ると、眞葛窯の面影を唯一残すレンガ壁が現存しています。

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レンガ壁を右手にみながら路地を奥に進めば、

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この辺りは隠居所があった場所で、一段高い場所付近には登り窯がありました。

眞葛窯では熊も飼育されており、横浜の宮川家には、ちょうどこの付近で熊が撮影された写真が残っています。

眞葛窯をより高い位置から見てみましょう。

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写真の左下一帯、1000坪の敷地が眞葛窯でした。かなりの高台、そして傾斜地にあったことがわかります。

現地には、このような看板も立てられています。

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看板の左側が窯の跡地だと誤解されやすいのですが、窯の跡地は道路の右側の下った部分一帯になります。


かつて栄華を誇った眞葛窯も、横浜大空襲により被害を受け、窯は閉鎖となります。

そして、現在ではご覧のとおりの閑静な住宅街へと変貌しています。

時代の移り変わりと、初代宮川香山の作陶に思いを馳せ、歩いて参りました。























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