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Channel: 「 眞葛博士 の 宮川香山研究 」
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宮川香山 霊獣「麒麟」をモチーフにした真葛焼

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皆さん、おはようございます。

初代宮川香山の作品の中でも希少性の高い作品として、伝説の霊獣「麒麟」をモチーフにした作品が存在します。

これまで実際に確認できた作品はわずか4点ほど、、、。

今日はそんな「麒麟」をモチーフにした作品をご紹介いたします。





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初代宮川香山作 個人蔵 宮川香山 眞葛ミュージアム保管






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初代宮川香山作 個人蔵 宮川香山 眞葛ミュージアム保管







そもそも「麒麟」とは、

「普段の性質は非常に穏やかで優しく、足元の虫や植物を踏むことさえ恐れるほど殺生を嫌う。

神聖な幻の動物と考えられており、1000年を生き、その鳴声は音階に一致し、歩いた跡は正確な円になり、曲がる時は直角に曲がるという。また、動物を捕らえるための罠にかけることはできない。麒麟を傷つけたり、死骸に出くわしたりするのは、不吉なこととされる。

また、『礼記』によれば、王が仁のある政治を行うときに現れる神聖な生き物「瑞獣」とされ、鳳凰、霊亀、応龍と共に「四霊」と総称されている。このことから、幼少から秀でた才を示す子どものことを、「麒麟児」「天上の石麒麟」などと称する。」(以上「Wikipedea」より)


「② 中国古代の想像上の獣。体は鹿(しか),尾は牛,ひづめは馬,額は狼。頭に肉に包まれた一本の角があり,体の毛は黄色,背には五彩の毛がある。翼をもってよく飛び,生草は踏まず,生物は食わないという。聖人が出て王道が行われた時に現れると伝えられる。一角獣。 〔一説に雄を「麒」,雌を「麟」とする〕
③ 俊才。麒麟児。  」(以上『三省堂 大辞林』より)


とされており、優しく仁徳の高い霊獣ことなんですね。

「麒麟」は「龍」などと違って、その姿に対するイメージはあまり固定されておらず、描き手によって様々な姿に表現されています。

初代香山が描く「麒麟」は、どことなくユーモラスで、とても優しそうに見えますね。



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今日もブログを見て下さり、有難うございました。

眞葛 博士



P.S.
「麟太郎」など「麟」の字を使った名前がありますが、優しく、仁徳のある子に育って欲しいという願いが込められているのでしょうね、、、、笑。



横浜大空襲から70年

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横浜大空襲により壊滅的な被害を受け、眞葛窯は閉鎖を余儀なくされました。

三代目の宮川葛之助、そして多くの家族や職人が命を落としました。

横浜大空襲から今日でちょうど70年です。




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今日の空は、今にも雨が落ちてきそうで、とても悲しげに感じました。



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今もなお、多くの人々を魅了し続ける眞葛焼。

微力ながら、今後もしっかりと語り継いでいきたいと思います。



山本 博士

横浜開港祭が無事に終了致しました。

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皆さん、こんにちは。

6月2日の開港記念日、今年も「横浜開港祭」が無事に終了致しました。


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「宮川香山 眞葛ミュージアム」の運営母体である株式会社三陽物産( http://www.3yo.co.jp/ )は、今年も「横浜開港祭」に参加致しました。

「開港を祝い、港に感謝しよう」をテーマに毎年開催されている「横浜開港祭」。

皆さんには、最終日に行われる花火大会のイメージが強いと思いますが、様々なイベントが開催され毎年大変な賑わいを見せています。


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株式会社三陽物産のブースです。

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「勝サブレ」や「横浜三塔物語 スティックケーキ」の販売も行いましたが、「お菓子を通じて横浜の歴史、文化を継承する」を企業スローガンにしている以上、これだけのはずがありません、、、笑。




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三陽物産協賛出展「横浜今昔写真展」と「記念写真撮影パネル」





開港当時の賑わいや、横浜の歴史に触れて頂こうと、「横浜今昔写真展」を協賛出展し、古写真を大きく引き伸ばしたパネルの前で自由に写真撮影を行えるようにもしました。(有料ですがお子様にはペリーの服もレンタルでお貸しするようにもしました。)




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写真展の一部をちょっとだけ覗いてみましょう。



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山下公園前の横浜人形の家付近





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元町から山手に上る谷戸坂付近






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大桟橋を望む






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本町通り、横浜開港記念会館付近






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万国橋を望む






このように、古写真と同じアングルで撮影した現在の写真を、上下に対比させて展示致しました。「昔むかしはこんなだったんだよ~」などと親子で会話をしている方々が多く、とても好評でした。




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今後もこのような歴史、文化を継承していく活動を行っていきたいと思います。

最後にもうちょっと宣伝、、、笑。






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今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士

速報! ロンドンで新たに発見された真葛焼

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ロンドンで、大変珍しい初期の高浮き彫りの宮川香山作品が発見されました。

花瓶の上下に銅色の金属装飾が加えられた一対の花瓶です。

(ランプに改造するため金具が施された陶磁器を見ることは多いですが、この眞葛焼は「ランプ」ではなく、金属の装飾で「花瓶」として仕上げられています。とても珍しいです。いわば海外で勝手に手を加えられた眞葛焼ですが、海外でこのような形で売られ、今日まで伝わってきたこと示す貴重な資料です。)


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初代宮川香山作  宮川香山 真葛ミュージアム保管 個人蔵




発見したアンティークディーラーによれば、ロンドンで銀食器などの金属類を専門に扱うアンティークショップにポツンと置かれていたそうです。

きっと、上下の金属の装飾に目が行き、そのショップが引き取ったのでしょう。

陶磁器を扱わないお店で発見された、まさに掘り出し物です。


当時フランスでは、陶磁器に銅色の金属装飾を施して販売されることが多かったようですので、この作品も元々はフランスで販売された真葛焼かもしれません。


花瓶の側面には、ぐるーっと一周する形で、スズメの細工が施されています。



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花瓶を回すように細工を一つ一つ見ていくと、羽がパタパタと羽ばたいているようにも見えます。

まるでアニメーションのようです!



この作品を発見したアンティークディーラーによれば、これまでに「家具」を専門に扱うアンティークショップでも、ポツンと置かれていた真葛焼を発見したことがあるとか、、、、。

すごい人がいるもんです。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

真葛 博士




p.s. この作品は現在「宮川香山 眞葛ミュージアム」で公開されています。









宮川香山 最高傑作の釉下彩

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皆さん、おはようございます。

今日は、今年のはじめにアメリカで発見した素晴らしい釉下彩技法の作品をご紹介します。

ブログ初公開です。




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初代宮川香山作 「下絵色入 藤画大花瓶」 宮川香山 眞葛ミュージアム保管 個人蔵






緑や紫などの釉下彩の発色が素晴らしいだけでなく、絵付けも気品あふれる優美なものとなっています。

高さは約60センチ。

眞葛焼の釉下彩作品の最高傑作のひとつであると評価してよいでしょう。

幕末から明治という時代は、西洋に追いつき追い越せと国中が躍起になってきた時代です。

この作品を見ていると、眞葛窯は陶磁器の世界において、完全に西洋に追いつき、そして追い越すまでの技術と美を手に入れていたのだなあと実感します。


今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士



p.s. この作品は現在ヤマザキマザック美術館さんにて展示されています。












シンポジウムにパネラーとして登壇致します

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皆さん、こんばんは。


横浜市都市整備局と公益社団法人 横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)が主催する「歴史を生かしたまちづくりセミナー」に、パネラーとして登壇致します。



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横浜市 記者発表資料



横浜では、開発のため貴重な歴史的建造物や遺構が次々に姿を消していっています。これらを守り、伝えていくためにはどうすればよいのか?当日は後藤治先生による「もう壊さない。歴史的建造物は横浜の宝」と題した講演も行われます。

興味のある方はぜひご参加ください。→ http://www.city.yokohama.lg.jp/toshi/design/pressrelease/20150610press.html



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今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士

ロンドンの有名オークションハウスに出品された真葛焼

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皆さん、こんばんは。

あなたは、もし、とてもとても美しいけれども、傷がある作品を見つけたらどうしますか、、、?

購入するかどうか、それは本当に悩みますよね、、、。



2015年5月14日、ロンドンのニューボンドストリート。

世界的に有名なオークションハウス「Bonhamas」(ボナムス) の主催するオークションに、初代宮川香山の大きな花瓶が出品されました。




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Bonhams社 オークションカタログより



オリジナルの花台付の作品で、高さは約60センチ。とても大きく堂々とした作品です。

薄くピンクがかったグレーのグラデーションの背景に、青々と若々しく生い茂る紅葉の葉が美しく表現されています。

釉下彩技法の冴える、とても素晴らしい作品です。


オークション会社が事前に公表していた「予想落札価格」は、わずか10万円ちょっと。

こんなにも素晴らしい作品なのに安すぎる価格です。

なぜでしょうか、、、。

実はこの作品には「傷」があるのです。

以前の所有者が花瓶を倒してしまったのでしょう、、、うっすらとヒビが入ってしまっているのです。


入札してチャレンジすべきか、本当に本当に悩みました。

そして、、、。





驚きの結末は、、、このブログの最後に。(笑)



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士




p.s.1

横浜には、「紅葉坂」という坂があります。

香山が横浜の大田村に眞葛窯を築いた翌年の明治5年、現在の桜木町やみなとみらいへと下る坂に、「紅葉坂」という名が付けられました。

当時、付近にはカエデの木がたくさん植えられていたそうです。


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現在の紅葉坂


現在その面影は残されていませんが、かつて写真の左手には「神奈川奉行所」が、右手には「伊勢山離宮」がありました。(参考ブログ → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2014-04-24 )

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明治天皇の離宮であった地には、グランドメゾン伊勢山というマンションが建設されていますが、昔を偲び、今でもマンションの入り口にはカエデの木が植えられています。




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初代香山は、紅葉坂を歩いていて作品のインスピレーションを得たのかもしれませんね、、、笑。



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Bonhamas オークションカタログ より





p.s.2
結果として、この作品は予想落札価格の何倍にもなる約85万円の落札価格になりました。
ヒビが入ってしまっていたとしても、素晴らしい作品にはやはり相応の価格がつくものですね。


宮川香山 朝日新聞掲載情報です

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朝日新聞に眞葛焼が紹介されました。



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『朝日新聞』 平成27年6月10日付 名古屋版




現在ヤマザキマザック美術館では、宮川香山にスポットを当てた企画展を開催中です。
重要文化財作品も今週末まで展示されています。

お近くの方は是非足をお運びください。


今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士


眞葛香山 新たな常設作品

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皆さん、こんばんは。

今日は眞葛ミュージアムに新たに加わった常設作品についてご紹介したいと思います。



眞葛窯の窯跡近くにある太田小学校。

その四年一組の子どもたちが、ミュージアムを訪問し、眞葛焼について学習したお話は以前ブログでも紹介させて頂きました。
→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2014-12-11
→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2015-03-27

今回眞葛ミュージアムに新たに加わった常設展示作品は、その子どもたちによって製作された作品「太田チャレンジ焼」です。




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歴代の香山先生も天国できっと喜んでいることと思います。

眞葛ミュージアムにまた素晴らしい作品が加わりました。



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今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士

ヤマザキマザック美術館での重要文化財作品の展示

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皆さん、こんばんは。

名古屋のヤマザキマザック美術館での重要文化財の渡り蟹作品の展示が、いよいよ今週末で終了となります。

詳細は→ http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_view&key=005001005003009015003121119118&mode=news

ヤマザキマザック美術館での企画展につきましては、6月24日付の『朝日新聞マリオン』の記事にも紹介されています。

記事は→ http://www.asahi-mullion.com/column/article/bihakunote/1148


名古屋近隣の方は、必見です!



また、26日(金)、27日(土)、28日(日)は、名古屋美術倶楽部で「名美アートフェア」が開催されています。

今回は、大阪の老舗古美術店「藤井香雲堂」さんが、約30点の眞葛焼を販売しています。


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もう少しよって見ますと、、、、


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初代香山のアールヌーボー調の緑の釉下彩作品もありますね。

もう少しよって見ますと、、、



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高浮き彫りの作品もあります!

何か一点でも眞葛焼を所有したいと思われる方は、今週末「名美アートフェア」にぜひ足を運んでみると良いかもしれません。→ http://www.meibi.or.jp/sub1.html



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士







眞葛香山 ヤフオクで珍品を発見しました。

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先日、何気なくヤフーオークションを見ていると、非常に珍しい明治初期の初代宮川香山の作品を発見しました。

初代の作品としては珍しい、”人物”を描いた作品です。


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初代宮川香山作 個人蔵 明治初期


明治4年に横浜の大田村に本格的な窯を築き、高浮彫りの作品を製作する少し前の作品だと思われます。


人物画も何とも味のある画風ですね。着物の描き方などは私の好みです、、笑。


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細部も丁寧に製作されています。


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京焼の伝統も感じますね。






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清朝陶磁の粉彩の影響も見られます。





銘は高浮彫りの作品に使用されるものと同じ印が使用されています。


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今回はヤフーオークションで、幸運にも珍品をとても安い価格で入手することができました。

でも皆さん、要注意ですよ。

眞葛焼の贋物は確かに存在しています!

怪しい眞葛焼をヤフオクでいくつ見たことか、、、、、。


眞葛焼の真贋の判定に自信の無い方は、信頼できる骨董屋さんで購入することをお勧め致します。

都内近郊の方は、今週末「平和島骨董祭り」が開催されます。

里帰り品を専門に扱う骨董屋さんも出展されていますので、ぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。




今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士










真葛焼 虫明時代の初代宮川香山作品

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皆さん、こんばんは。

今日は、初代宮川香山の岡山、虫明時代(横浜に移住する前の明治元年頃から3年まで)の作品について書かせて頂こうと思います。



実は先日、大阪のリサイクルショップがとんでもない作品を売りに出しているのを発見してしまったのです。


「 金襴手 酒盃  

胱元様 庚午孟春日 

真葛宮川 九々鱗長造々 」


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「庚午」は明治3年、「孟春」は1月を指しますので、初代香山が岡山の虫明で作陶している時期の作品です。


箱をよく観察すると、初代香山の父、長造が使用していた「真葛」の印も押されています。


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早速作品を見てみましょう。




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初代宮川香山作 虫明時代 明治3年1月  個人蔵 宮川香山 真葛ミュージアム保管





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初代宮川香山作 虫明時代 明治3年1月  個人蔵 宮川香山 真葛ミュージアム保管




とても美しい金欄手の酒盃です。

銘を見てみましょう。





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この銘は、岡山県の重要文化財に指定されている、虫明時代の初代香山作「酒樽」の銘と、年代やタイプが同一のものです。




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岡山県指定重要文化財 初代宮川香山作 虫明時代 明治3年1月  岡山県立美術館保管

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上記酒樽 銘





今回発見した「酒盃」で非常に興味深い点は、初代香山が明治3年の1月、岡山の虫明の地で、「九々鱗長造」と箱書きをしていることです。


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「九々鱗」とは青木木米の号ですし、「長造」とは木米の轆轤師であった初代香山の父長造のことです。


作品を手に入れることができた喜びで、岡山虫明在住の虫明焼研究家 I さんに早速電話をしました。

すると「1966年に発刊された桂又三郎さんの本にも、金襴手の虫明時代の作品がのっちょるぞー」とのこと。( さすが、生き字引です、、、、笑)

早速その本をみてみると、、、




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ん、、、!


なんと、今回大阪のリサイクルショップが売りに出していた作品は、本に載っているまさにそのものの作品だったのです。


本が発行されてから、約50年。

この50年間、この「酒盃」がどのような旅を経て大阪のリサイクルショップまでやって来たのかはわかりませんが、この「酒盃」を見つけることができ本当によかったと思っています。


初代香山が虫明に滞在していたのは、わずか数年です。

従って現存している作品の数も少なく、非常に希少な真葛焼といえます。


また、虫明時代の作品については、贋作が非常に多いことが知られています。

銘や印すら違うもの、後世の作であるもの、明らかに贋作だとわかるようなものまで、企画展の図録や研究書などに「初代香山の虫明時代の作」として掲載されてしまっている現状があります。

この辺りについては、来年の岡山県立美術館の企画展 「没後100年 宮川香山  虫明焼と明治の陶芸」 ◆2016年3月18日(金曜日)-5月8日(日曜日) で、近年の研究の成果が反映された展示が行われることと思います。 → http://www.pref.okayama.jp/seikatsu/kenbi/schedule-h27.html

楽しみですね。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

真葛 博士





P.S.1 これまでブログで紹介した他の初代香山の虫明時代作品も列記します。

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以上 → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2015-02-17




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イギリスで発見した虫明時代の酒樽 → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2012-06-24



P.S.2 水指など、虫明時代の陶器作品についても、今後ブログで紹介していきたいと思います。










真葛焼 宮川家本家からの贈り物

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皆さん、こんばんは。

実は私、ちょっとおめでたいことがございまして(笑)、それを宮川眞名誉館長(初代香山の玄孫)にお伝えしたところ、とても素晴らしい贈り物を頂戴してしまいました、、、汗。


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新調された木箱の中は、、、、












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何と、宮川家本家に代々伝わる、愛用の「狸の徳利」でした!

この徳利は、初代香山が大正2年に立ち上げた「狸亭」というブランドの作品で、わずか数か月間のみ製作された、真葛焼の中でも大変希少な作品なのです。


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「狸亭 商品売上帳」 横浜市歴史博物館所蔵




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初代宮川香山作 狸亭 徳利 大正2年 宮川本家旧蔵



この徳利の裏を見ると、、、


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「狸亭」の印が押されています。




「是非これでお酒を飲んでください」と言われましたが、もったいなくて使えません、、、笑。

こんな素晴らしいものを頂いてしまい、宮川香山研究ももっともっと励まなくてはと身が引き締まる思いです。


個人で収集した真葛焼は、現在、全て「宮川香山 真葛ミュージアム」が管理する真葛収蔵庫に保管されているのですが、この徳利だけは我が家の書斎の一番高いところにしっかりと飾らせて頂いております。

これからも宮川香山研究を鋭意継続して、これまで解明されてこなかったことや、新事実の発見に努めていきたいと思います。

宮川名誉館長、本当に有難うございました。



今日もブログを見て頂き、ありがとうございました。

山本 博士





p.s.


これまで発見した初代香山の「狸亭」作品です。


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どれもとても愛くるしいですね。

真葛焼 「新規発明 眞葛焼」

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「新規発明 眞葛焼

この度、上野公園において開催される内国勧業博覧会において 私は自作の真葛焼の陶器を出品します。

皆さんのご要望に応じて山水なり墨竹なり、ご自身でお描きいただいたままを不忍池の土を使った陶器に写し取り、20分ばかりで新しく開発した真葛焼を制作してお求めに応じます。」



明治14年、第二回内国勧業博覧会に際して、香山が「かなよみ」という新聞に掲出した広告です。

第二回内国勧業博覧会といえば、香山があの国指定重要文化財になった渡り蟹の作品や、噴水などを出品した博覧会です。

そのような作品を出品する一方で、来場する一般の方々への販売用に「新規発明」の真葛焼を販売していたのですね。

以前も一度ブログに紹介させて頂きましたが、→ http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2014-04-11
新たにそのときの作品が手に入りましたので、ここにご紹介したいと思います。





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不忍の泥をもって造る、と書かれていますね。


この作品は、一見磁器のようにも見えますが、磁器っぽい色と質感の釉薬をかけた陶器です。





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絵付けは、







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この絵付けはお客さんが会場で描いたものなのでしょう。

いったいそれをどうやって、この作品に転写したのか、、、。

今となっては確認する術はありません。


いずれにしても、香山の独創的なアイデアと実行力を象徴するような商品だと思います。


この貴重な真葛焼を、僕がどうやって手にすることができたのかと申しますと、

実は、これもまた”頂きもの”なのです、、、汗。


もう去年の話になりますが、本業のお菓子屋 http://www.3yo.co.jp/ で、弊社の顧問を受けて下さっている方がいるのですが、その方の趣味が古美術収集でして、以前この「新規発明の真葛焼」について僕が描いたブログをご覧になられて、君が持っていた方がいいだろうと頂いてしまったものなのです。


コレクションの中には、頂いてしまったものも多くあります。

実はそれらは自分で購入したものよりも、保管などについてとても気を遣います。

何か、”しっかり研究してくれよ”、”もっと励めよ” と言われている気がするのです。


今回プロのカメラマンに撮影をして頂けたので、このブログでしっかりと公開させて頂きます。







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初代宮川香山作 明治14年 宮川香山 真葛ミュージアム保存 個人蔵 






顧問、改めまして御礼申し上げます。



今日もブログを見て頂き、ありがとうございました。

真葛 博士



p.s.


以前のブログでご紹介させて頂いた不忍の池の泥を使い、内国勧業博覧会で販売された別の作品です。


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真葛焼 講演会が無事に終了しました

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現在、名古屋のヤマザキマザック美術館で開催されている「世界に挑んだ明治の美 宮川香山とアール・ヌーヴォー 」展。




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http://www.mazak-art.com/




7月20日の祝日に、私が講師を務める講演会を催して頂きました。

マザック美術館のスタッフと僕の親戚しかいなかったらどうしよう、、、と心配をしながら会場につきましたら、




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定員の80名を超え、急きょ椅子を大幅に増やしてお座り頂くという状態になっており、宮川香山に対する関心の高さを実感しました。



通常、真葛ミュージアムでのイベントなどで30分程の解説は行うことはありますが、90分の講演となるとそれほど経験は多くありません。

だからこそ、それはもう一か月程前から、それは必死で準備をしておりました。

話の組み立てから、パワーポイント資料の整理から、どうやったらわかりやすく宮川香山の魅力を伝えることができるか、そして僕ならではの話ができるか、誠心誠意準備を行いました。

そして、当日は全身全霊で務めさせて頂きました。




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来場くださった方々も、時にうなずき、また時に一緒に笑って下さり、とても和やかな雰囲気で講演会は終了しました。

講演会終了後も、何人かの方々からお声掛け頂き、宮川香山の魅力をしっかりとお伝えすることができたと、今は本当に安心しております。

足を運んで下さった方々、本当にありがとうございました。





企画展は来月まで開催されています。本当におすすめの美術館ですので、ぜひ!





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今日もブログを見て頂き、有難うございました。

真葛 博士







真葛焼 丸善 日本橋店のギャラリー

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皆さん、こんにちは。

丸善 日本橋店ギャラリーでのイベント情報をお伝えします。


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「京都・大阪発はんなり骨董楽市」
丸善 日本橋店
日本橋店 3階ギャラリー 
2015年9月2日(水)~9月8日(火)  
9:30~20:30 (※最終日は17時閉場)
<入場無料>
京都、大阪より茶道具・諸道具・美術品等珍品逸品の数々をあつめお値打ち価格で展示即売いたします。また、特別コーナーとして、長い歴史を誇る京焼の歴史の中で、幕末~明治期は技術・作家・作品の全てが大きく開花した輝かしい時代でした。
その後の陶芸界に多大な影響を及ぼすその時代の煌いた作品の数々も展示いたします。
(以上、丸善様のサイトより http://www.junkudo.co.jp/mj/store/event_detail.php?fair_id=9953 )



なんと、眞葛焼が何点か出品され販売されているとのことです。



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ご興味のある方は足を運ばれてみてはいかがでしょうか。




今日もブログを見て頂き、有難うございました。

眞葛 博士

宮川香山の真葛焼が「教科書」に。

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皆さん、こんばんは。


初代宮川香山の真葛焼が、中学生の教科書に掲載されます!





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『中学国語3』教育出版社






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『中学国語3』教育出版社より






作品の画像の貸し出しでご協力をさせて頂きました。

この写真を見た中学生が、真葛焼に興味や関心を持ってくれたらとても嬉しいことです。

大変光栄な画像協力をさせて頂きました。





作品は、遺作の「琅玕釉(ろうかんゆう)蟹付花瓶」。




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初代宮川香山遺作 個人蔵 





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初代宮川香山遺作 個人蔵


(詳細は過去のブログへ → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2009-04-09 )



真葛ミュージアムの展示でも、最も人気の高い作品です。



今日もブログを見て頂き有難うございました。

眞葛 博士







歴史を生かしたまちづくりセミナー

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皆さん、こんばんは。

真葛焼と直接関係はないのですが、以前ブログで、横浜市都市整備局と公益社団法人 横浜歴史資産調査会(ヨコハマヘリテイジ)が主催する「歴史を生かしたまちづくりセミナー」にパネラーとして登壇すると書かせて頂きました。

少し前になりますが、当日の模様が神奈川新聞に掲載されましたので、ここにご紹介したいと思います。



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『神奈川新聞』より



私は、今の自分たちはリレーの選手のようなもので、次の世代に良い状態で”まち”というバトンを受け渡す責務を負っていると考えています。

”まち”の「誕生」や「発展」を物語る貴重な建造物や遺構は、開発で破壊されることなく、上手く開発に取り組んで「保全」し、次の世代に受け渡すべき宝物だと思います。

行政に頼るだけでなく、地域住民や地元企業がより関心を持ち、地域全体で保全を実現させるシステム作りが求められています。



今日もブログを見て頂き、有難うございました。

山本 博士



真葛ミュージアム 次回の展示替えについて

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皆さん、こんばんは。


宮川香山 真葛ミュージアムの次回の展示替えについてお知らせ致します。


現在開催中の「歴代香山の真葛焼」展ですが、9月13日(日)をもって終了となります。

まだご覧になられていない方は是非お見逃しなく。( 現在の企画展の詳細はこちら → http://kozan.blog.so-net.ne.jp/2015-03-28 )




2015年9月19日(土)からは、展示替えを行い、新たな企画展が始まります。


来年は、初代宮川香山が没して100年になります。

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この節目の年を迎えるにあたり、真葛ミュージアムが管理するコレクションの中から、初代香山の優品だけをセレクトし、一同に展示致します。

惜しむことなく、そしてもったいぶることもなく、コレクションのベストセレクションばかりが並びます!

どうぞご期待下さい。 






「没後100年 初代宮川香山 優品ベストセレクション」展

明治初年、横浜に窯を築き、国内外の万国博覧会で輝かしい受賞を重ねた初代宮川香山。
優品は海外に流出し、三代続いた真葛窯も横浜大空襲で閉鎖に追い込まれ、今では“幻のやきもの”と称されています。

初代宮川香山は、2016年に没後100年という節目の年を迎えます。
宮川香山 真葛ミュージアムでは、管理している数百点にも及ぶ真葛焼コレクションの中から、初代香山の選りすぐりの優品を展示致します。

海外でその名を馳せた宮川香山。
「存命中の作家で最も工夫に富み、最も天才的な陶工は疑いなく宮川香山である。」(エリザ シドモア)
「真葛の新しい表現効果に魅了された人々は、間違いなく尊敬の念を頂いていたと考えられる」(クリストファー ドレッサー)

100年の時を超え、世界を魅了した“幻のやきもの”を存分にご堪能下さい。







宮川香山 真葛ミュージアムのサイトはこちらです → http://kozan-makuzu.com/ 

今日もブログを見て頂き、有難うございました。

真葛 博士






没後100年 初代宮川香山 優品ベストセレクション展 開催中

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皆さん、おはようございます。

宮川香山 真葛ミュージアムでは昨日より、「没後100年 初代宮川香山 優品ベストセレクション」展が開催中です。

選りすぐりの初代香山作品を、約100点展示中です。



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初公開作品は7点。




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人気の高い超絶技巧の高浮彫作品も多数展示しております。




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優美な「釉下彩」作品で構成したお花畑のようなケースも、、、。




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是非お見逃しなく!

宮川香山 真葛ミュージアム → http://kozan-makuzu.com/






今日もブログを見て頂き有難うございました。

真葛 博士








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